この映画の物語の軸となるのは、アニメーションで語られる農家の夫婦に助けられた傷ついたツルについての昔話です。この寓話は、各地で撮影された傷ついた動物たちとレスキューする人間たちの実話と、織り混ぜて描かれていきます


W.O.L.F. 

ロッキー山脈のふもとの人里離れた谷に、オオカミ犬たちが生涯を過ごす事の出来る保護区があります。野生では存在しないオオカミ犬は、ブリーダーが人工的に繁殖させ、高価なペットとして販売されていくのです。でも、オオカミ犬は根本的には野生動物なので、その多くが悲劇的な死を遂げます。オオカミ犬にとって、この広大な保護区は地球上で唯一の安住の地なのです。人間の身勝手な欲望により人工的に生み出され、安楽死させられるオオカミ犬。その過酷な環境から救済され、生き延びた何頭かを観察するうち、彼らが虐待の記憶から簡単には抜け出せないことが明らかになっていきます


スーパー・里親探し  

 “ベスト・フレンド・スーパー・里親探し”イベントに集まったのは、殺傷処分決定のシェルターから救出された、健康な700頭ものホームレスのイヌたちです。ボランティアたちが里親候補者にレスキュー犬たちを紹介すると、ワンワンキャンキャンの大合唱の中、彼らはイヌたちを抱きしめたり一緒に歩いたり。ボランティアの情熱的な献身ぶりは、理想のイヌに出会い一目惚れして、家に連れて帰る里親たちの喜ぶ様子に報われるのです。こうしたイベントやシェルターのネットワークを通して、毎年6百万頭の命が救われています


野生動物保護区

パット・クレイグは、コロラド州北部にある700エーカーを越える敷地に広がる野生動物の保護区のために、過去30年間に渡って人生を捧げてきました。現在この保護区では、かつて人間によって監禁され虐待を受けてきた300頭にも上るトラ、オオカミ、ライオンたちに安住の地を提供しています。彼らのほとんどは、それまでに他の動物に遭遇したことがないため、まずは同族の仲間たちに適応しなくてはなりません。次第に他の仲間を再び信頼するようになってくると、彼らは他に並ぶもののない存在となり、同じ仲間の動物たちの社会の中で、居場所を見出すようになるのです。パツトは、動物たちが、命果てる迄、安住の地を提供。手厚い保護の後、広大な土地に解き放ち見守っています


動物たちへの祝福 

毎年10月、ニューヨーク大聖堂では4000頭もの動物たちと付き添いの人間が集まって、アッシジの聖フランチェスコに敬意を表し、動物たちに祝福を与えます。イヌ、ネコ、サル、カメといった動物たちが人間たちの膝の上に座り、動物たちの行進では、ラクダ、ラマ、ハゲワシが世界最大の大聖堂の廊下を歩いていくのです。やがて、大聖堂の中心に揃った動物達は神父の手によって祝福され、儀式は幕を閉じます


ジェームズ・リバー・ワーク牧場での引退サラブレッド基金

ヴァージニア州の広大な土地に広がる刑務所内の牧場では、出所後に職を得られるよう、非暴力犯たちがウマの手入れの仕方を訓練プログラムで学んでいます。どのウマもかつては競走馬で、屠畜所行きから救われたものたちです。ある囚人がウマに蹄鉄をつけながら言います。「この動物たちと一緒にいるのは、何とも幸せなことだよ」。近くにある美しい牧場では、この訓練プログラムの卒業生が、競争馬のサラブレッドの手入れの仕事をしています。素晴らしいウマをブラッシングしながら、彼は私たちに語ります。「刑務所で出会ったウマたちが、全く新しい人生をやり直すチャンスを僕にくれたんだ」。馬たちと出会い一緒に働くことで、どれだけ彼らの人生が救われたか、種を越えた絆が感じられます。


北海道のツルの村

凍てつく朝もやの中、赤い頭巾をかぶったようなタンチョウヅルの群れが、川で活動を始めます。空を飛ぶタンチョウたちが雪の平原に舞い降りると、そこでは、93歳になるおばあさんが彼らに餌をやります。彼女はそれを40年以上続けているのです。タンチョウたちの間を歩き回ってトウモロコシ巻くおばあさんを、タンチョウたちは自分たちの仲間として迎えます。80年前、タンチョウが絶滅の危機に瀕していたとき、村人たちが自分たちの食料を与えて彼らを救ったのだそうです。現在、ここには1400羽を越えるタンチョウが集まり、世界中から観光客をひきよせ、このひなびた村の繁栄に貢献しているのです。タンチョウヅルの優雅な飛翔をシャッターに収めようと、多くのアマチュア写真家が待機している様子に、私たちはふと思います。

“救われているのは人間と動物、どちらなのだろう?と”